BALLAD 名もなき恋のうた [DVD]出演:草ナギ剛 /新垣結衣 /夏川結衣 /筒井道隆 /武井証
ジェネオン・ユニバーサル
発売日 2010-04-07
飲んだら脱ぐな、脱ぐなら飲むな 2010-05-04
名作アニメとして有名な原恵一監督『クレヨンしんちゃん〜嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』(2002年)を『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴監督が実写映画化。オリジナルが、とてもクレヨンしんちゃシリーズとは思えないしっかりとした戦国時代アニメなので、下手な作品には転ばないなと思って見たのだが予想どおり。ほぼオリジナルどおりのストーリー&カット割は、原作原理主義者も納得の仕上りとなっている。
しんちゃんこそ小奇麗な普通の小学生に修正されていたが、あえてアニメと同じお下劣キャラを踏襲する必要はなかっただろう。一番心配していた廉姫役のガッキーが予想外にはまっていたのは本作最大のサプライズで、高飛車な女王様キャラが意外にもマッチングしていたのである。草なぎ剛の又兵衛は役作りどうこうよりも、剣の腕は立つが女には弱い青空侍を役者の色に染めてしまった感じ。
戦闘シーンなどの時代考証性については、評価が高かったオリジナルに比べ若干アクション重視の方向に傾いた演出がみとめられたものの、おおむね許容範囲内におさまっている。全体的に若手監督が先輩監督に非常に気をつかいながら撮ったような内容になっており、携帯電話やカメラなどのニューアイテムを駆使した山崎貴オリジナルの演出を、もっと盛り込んでもよかったではと思ったくらい。
本作の撮影後、草なぎ剛が世間を騒がしたある事件を起こしたことを覚えているっしゃるだろうか。映画は時として役者の未来像を写し出すことがあるのだが、本作品の中にも実はこの事件を予感させる象徴的な場面が登場する。しんちゃん家族が現代から持ち込んだ一番搾りを草なぎが気持ちよさそうに一気に飲み干すシーン。素っ裸にこそなりはしなかったが、本編ならびにエンドロールにも使われたこのシーンがやけに印象に残る1本であった。
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